1 離婚協議書とは、夫婦が離婚する際に、財産分与、慰謝料、離婚後の子どもの親権、養育費などについて話し合いで合意した内容を書面化した契約書のことをいいます。
2 一般的に離婚協議書で取り決める事項は次の通りです。
- 離婚の合意
双方が離婚に合意し、協議離婚をすること。 - 親権者と監護権者
監護権者とは、子の監護養育をする者で、親権と分離して別に監護者を定めない限り、親権者が当然監護養育すべき者となります。 - 子供の養育費(支払う側・受け取る側の特定、金額、支払い方法、支払日、支払いの終期など)
親は、未成年の子に対して扶養義務を負っていることから、子を引き取って養育する親に対して、他方の親から子を養育する費用として支払われるのが養育費です。 - 子供との面会交流(面会の頻度、面会の時間、子どもの受け渡し方法など)
子の親権者である親に対して、親権者でない親が、その子に面会や交流する機会や方法の取り決めです。具体的には、「親権者でない親が月1回子と面会交流することを認める。面会交流の具体的な日時、場所、方法等は、甲と乙が、丙及び丁の福祉に十分配慮しながら協議して定める。」といった内容です。 - 双方で合意した離婚慰謝料(支払う側・受け取る側の特定、金額、支払い方法、支払日など)
離婚原因について主として責任のある側が他方に支払う損害賠償です。 - 離婚による財産分与(分与する財産の特定、支払う側・受け取る側の特定、分与額、分与方法、履行日など)
婚姻中に夫婦の協力によって形成された夫婦共有財産の清算です。具体的には離婚時の資産と債務の合算額が夫婦の財産となります。住宅ローンが残っている夫名義の自宅を夫がローンを継続して支払う約束で妻に分与する場合、銀行との関係で妻への所有権移転登記がローン完済後になることが多く、夫が完済まで第三者に譲渡しないようにするには、夫から妻への所有権移転請求権保全の仮登記が出来るようにするなど、財産分与が完全に履行されるようにするには少し工夫が必要です。また未払いの退職金をどう扱うかなど、協議でお困りの時はアシスト札幌共同事務所にご相談ください。 - 年金分割割合
離婚時年金分割制度とは、厚生年金、共済年金等について離婚時に婚姻期間中の保険料納付分にかかる「標準報酬」について、夫婦の合意によってそれぞれの分割割合(上限は50%)を決めます。 - 住所変更等の通知義務
子との面会交流、養育費や財産分与等の支払、経済状況の変化の対応、双方の協議などをスムーズに行うため、双方の住所、勤務先などを把握してく必要があります。 - 清算条項
協議書で合意した権利・義務関係のほかには、夫婦間に何らの債権や債務がないことを当事者双方が確認する条項です。 - 強制執行認諾(公正証書にのみ記載できます。)
養育費と離婚給付の金銭の支払いの合意について債務者が強制執行を受諾した旨を公正証書に記載すると、支払が履行されないときは、強制執行が可能です。